43.093,141.255_Way_202209

Yoko Ichimra

Yoko Ichimra
市村 陽子

43.093,141.255_Way_202209

風景とは事象としてただそこにあるだけには留まらず社会的または心理的な情報を常に纏っている。その時代、その場所での個人や集団の生い立ち、体験、信仰、国家観などがその情報に反映され、さまざまな風景が存在しているといえる。ゆえに、目前にあるそれは見ている者の存在を証明する事象となる。その時その地点で起こっていることは何か。どう変化していくのか。確かめながら、周囲との認識の差を埋めていく。その時に存在する世界を記録するように描き、他者への共感と受容を叶えていく。 場所にまつわる事実と自身もしくは他者の体験、記憶。その時間軸での一時的ともいえる感情。それらの雑多な情報を掻い摘み風景を再構築する。私自身もそこに存在する者として、風景を記録する。絵画史において風景画は、16世紀に始まり17世紀のオランダで発展した。絵画のテーマは宗教や階級からの人間中心主義から風景や光などの景観を描こうとするジャンルが生まれていった。ロココ、新古典主義後のロマン主義においては表現の自由度が広がり、イギリスのバルビゾン派の誕生を経て印象派や後期印象派で新たな作品が生まれていった。私が描いている風景の定義は、風景とは大地や空な・・・

H:909mm W:652mm D:30mm W(重量):5kg

2022
ミクストメディア