A mask to act.

Shinya Ogiwara

Shinya Ogiwara
荻原 眞也

A mask to act.

みな、何者かを名乗るための仮面を求めて生きている。それがないと、ワタシが揺らぐ気がして生きることができない。
絵では、ある架空の世界を表現しています。そこには、マスクで覆った人々、マスクを買うことのできるshop、マスクが脱げてしまい不安な表情をする女性が描かれています。この作品は、人と接する際に感じる居心地の悪さを表現した作品です。僕は普段、「アーティスト」という記号に身を隠しながら、人と接している感覚があります。「アーティスト」という、自身の輪郭をくっきりさせてくれる分かりやすい記号のですが、その記号を失った僕は、自分を何者だと認識すればいいのか分からなくなり、途端に人と接することが怖くなります。でも、これは僕だけじゃなくて、現代を生きる若者みんなそうなんじゃないか。分かりやすく自分を覆い隠してくれる記号をまとい、似た記号をまとう者同士がSNSで繋がりあう。自分と他者の記号を比較し、優越感や劣等感を抱く。そしてその記号が意味を成さない場面に出くわした時、自らを何で存在証明すればいいのか分からなくなり、戸惑う。絵ではそんな自己の揺らぎを表現しました。

H:606mm W:727mm D:30mm W(重量):1kg

2022
Canvas,アクリル画