FGMT_2209-2

HASHIMOTO YUKIO

HASHIMOTO YUKIO
橋本 佑紀夫

FGMT_2209-2

断片的な知覚がもたらす詩情、というものに興味があります。実際、今も昔も人は、それぞれが独自に認識(誤認?)した断片的な情報を幾重にも入り混じらせながら自身の世界を作り上げて生きています。そのことがあらゆる悲喜劇を生んでいることは言うまでもないことのように思えます。この作品では、全体が1つの断片としての形で存在しつつ、さらにその中をいくつもの垂直に分断された基材(パーツ)が並んでいます。多分に偶発的な工程によって定着された文字要素を主としたイメージは、元々持っていた意味や意図を損なった状態で、整合性を欠きながら繋ぎ止められ存在しています。今回の制作は、パーツごとに即興性を重んじながら進めていったため、最終的にその全体像が分断され混乱した画面として映るのか、それとも独特な調和を感じさせるものになるのかという試みでもあったのですが、結局これは今の世界をどのように見るかという事と均質な事であるのかもしれないな、というのが作り終えた際に感じたことです。

H:975mm W:880mm D:15mm W(重量):5kg

2022
シルクスクリーンインク、アクリルインク、ボンド、片栗粉

Profile
多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン学科卒業。’05年よりフリーランスの映像ディレクターとして様々な仕事を手掛ける。‘13年から、シルクスクリーン技法を主とした平面作品の制作を開始。   *【展示】2013年 「トーキョーワンダーウォール公募2013入選作品展」東京都現代美術館2013年 グループ展「版画展2013」The Artcomplex Center of Tokyo2021年 WATOWA ART AWARD 2021 EXHIBITION2022年 WATOWA GALLERY EXHIBITION “THE SELECTED” vol. 22022年 WHAT CAFE × WATOWA GALLERY EXHIBITIOIN -DRIVE UP!-   *【受賞歴】2013年 トーキョーワンダーウォール公募2013 入賞2021年 WATOWA ART AWARD 2021 ファイナリスト