百花連歩図

Kai Chikako

百花連歩図

街中ですれ違うたくさんの人。たくさんの足並み。 皆それぞれの目的に従って人の波をかき分けながら進む。 一方で、地面に残る数えきれない人々の痕跡は絶えず交差する。 蓄積した足跡で繋がった輪郭線を辿っていくと、巨大な植物の塊のような姿が現れるのではないか。多種多様な靴の形を持つ花びらが次々に生えてくる植物を描く。
H:1000mm W:1000mm D:28mm W(重量):2.5kg
2023
キャンバス、アクリル、岩絵具
平面


甲斐 千香子

私は日常の中にある様々な物や景色を身近な別の物に置き換える“見立て遊び”をテーマに絵画制作している。
ある事象を別の物に見立て連想し、そこから得られるユーモアとシュルレアリスムを制作イメージの根幹に置いている。
また、社会の事象に踊らされる人々の滑稽さや矛盾する心理など、人間の複雑な感情にも着目している。人々が持つそれらの情景を人形や日用品、植物など人間以外のイメージに変換することで、観賞者が作品を観たとき、それぞれの意識内でこの社会の滑稽さや矛盾性、可笑しさなどを浮き彫にさせることを試みている。
見慣れたものや固定観念に対して、独自の視点と仕掛けを持つ新たな絵画表現の追求をしている。