NINA NOMURA
野村 仁衣那

Immortal
不朽

この作品は、廃品になったテレビ画面のアクリルを再生させたものです。一見無機質に見えるプラスティックに熱を加え、穴をあけることで、光の細胞を宿し、新たな生命感を与えました。プラスティックの原料である石油は、太古のプランクトンの死骸が、長い年月をかけて大地の熱や圧力を受けて生まれたものです。穴をあける行為は、この素材が持つ起源を露わにし、心象風景として再生させるためにあります。この「Immortlal/不朽」は、このコンセプトをプリミティブに捉え、抽象表現に落とし込みました。すべてのものが時間によって変化していくことを、老い、朽ち、劣化する、ネガティブなものとしてではなく、ただ次なる姿への変身の途中であると捉えたものです。プラスティックという素材は、環境問題において疎ましく思われているものでもありますが、この光の細胞の輝きは、現代の私たちの暮らしに潜む価値を照らし出しています。

H:420mm W:490mm D:130mm W（重量）:2kg

2022
アクリル/Acrylic