moire 2312

Okubo Satoko

moire 2312

黒く塗装した木枠の中に同色の糸数本を等間隔に張り、それを層状になるよう重ねた6点組の作品です。糸を重ねることで様々な視覚的に面白みのある現象を引き起こし、前後関係を曖昧にするなどの不思議さや、豊かな空間性を生むことを目指しています。この作品では、前の糸が後ろの糸を隠すことで、線が連続的に途切れて見え、チラチラとしたモアレの現象が起こることがあります。モアレ現象は、糸の重なり方が変わることでチラチラと動くため、鑑賞者の視点移動によってより面白みのある表情を見せます。また、糸が短い間隔で数多く張られていることによって、線として要素ではなく透過性のある面の要素として捉えることができます。そのため前後の糸が重なることで色が混じりあって見え、本来使用されている糸の色数以上に色があるように見えることも特徴です。このような直線に張られた糸の重なりによって起こる、現象の美しさや面白さを追求している作品です。
H:1200mm W:1200mm D:100mm W(重量):12kg
2023
木材、糸、塗料
立体


大久保智子

地元、青森の伝統的な刺繍である南部菱刺しという刺し子から得た着想を原点とし、主に糸を使った作品を制作しています。柔らかい素材である糸をあえて直線に張った状態で使用することによる、視覚的に面白みのある造形表現を模索しています。

2000年 青森県出身
2016年 八戸工業大学第二高等学校 美術コース 入学
2019年 八戸工業大学第二高等学校 美術コース 卒業
     筑波大学 芸術専門学群 入学
2023年 筑波大学 芸術専門学群 卒業
     筑波大学 人間総合科学学術院 人間総合科学研究群 芸術学学位プログラム 入学